好きなドラマは多いが、最も印象に残っているのはトッケビ

良い箇所を数えたらキリがない。練られたストーリー、魅力的なキャラクター、視聴者を引き込む俳優たちの演技、撮影の美しさ、劇中歌の効果。どれをとっても一級品で、視聴後の冬はロングコートを買い込んだりした。その後、韓国ドラマを何本か続けて見て、最近でも話題作がある度にチェックはしているが、どれもトッケビを超えてこない。

トッケビが初めて私が観た韓国ドラマだったことが、これほどまでに歪んだ判定を生んでいると考えられる。トッケビも否定的な目で見るとツッコミどころは沢山あるし、そもそも設定が陳腐だろう。ただ、初見の私にはそんな感性はなかった。それは、後から生まれてきたものだ。だから、その後に観た他の作品には、インパクトを受ける前に相対評価をすることとなり、その印象は薄まった。

程度は浅いが、オタク化することによって感性が鈍ったのだろう。良いものを正しく受け取るのに、知識や経験は役に立つ。しかし、新しいものと出会う時、知識や経験を捨て去って向き合う勇気が必要なのだろう。