ソーシャルディスタンスをソーシャルと略す人

ソーシャルと人に言われて何のことだか理解が遅れた。ソーシャルディスタンスのことを指しているようだった。

パーマネントウェーブをパーマと略し、エレクトリックギターをエレキと略す日本人ならではの感覚なのかも知れない。(アコースティックギターはアコギなのに。)略語を作る際に何故か修飾語の方を残してしまう癖があるのか、単に前にあるブロックを残してしまうのかは分からないが、本来の意味が抜け落ちていることに変わりはない。ジョークで略語を作る時にわざとそうしてみると面白いかもしれない。

漢字ではそのような例はあまりないのではなかろうか、と書きかけて、そもそも漢字の略語があまり思いつかないことに気づいた。重文(重要文化財)や全中(全国中学校体育大会)くらいであろうか。そもそも漢字及び熟語は略語的な機能があるため、さらに縮める必要性が薄いのであろう。死語になりつつあるが、携帯電話を略す時は、ケータイとカタカナ表記が頭に思い浮かぶ。これも本来の機能を表す意味が失われていると数年前であれば批判できたが、今日のケータイ(スマホ)は電話としての登場機会は少なく、"とりあえず携帯して色々するもの"になっている。

初見で最も意味が分からないのはアルファベットの略語だろう。ASAP, FYI等々乱用されているが初めて見るものはいちいち調べなければならず、類推というものができない。私の会社は現在勤務形態にWFH(working from home)を採用しているが、なんのことやらである。在宅勤務を略して在宅と言った方が、伝わる情報量は格段に増えるだろう。勤務しているかどうかは不明だが。